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NPOと行政の協働の手引き
監修:新川達郎
編集:「NPOと行政の協働の手引」編集委員会
発行 大阪ボランティア協会
A5判 159頁
発行年:2003年
協働とはなにか。実際に協働を推進するにはどうすればよいのか。NPOと行政の協働が、本当の意味での協働となり、社会の期待に応えていくための条件とは・・・。協働の基礎知識を体系的に学び、協働を実践するための手引き。

【筆者】
《執事者紹介》 *執筆順

今田 忠 (いまだ・まこと) *第1章
 日本生命財団、笹川平和財団、阪神・淡路コミュニティ基金を経て、現在、市民社会研究所主宰。10を超えるNPOの理事等を務める。愛知学泉大学、関西学院大学、同志社大学、各非常勤講師.羽衣国際大学、中京女子大学客員教授。

木原勝彬 (きはら・かつあきら) *第2章
 (社)奈良まちづくりセンター理事長を経て、2000年(特活)NPO政策研究所理事長。コミュニティ政策学会・研究フォーラム副会長、吹田市市民公益活動審議会副会長、大阪府NPO活動促進検討委員会委員。主要論文「NPOは日本の社会を救えるか」(読売論壇新人賞入選、1997)、「住民自治力を強化する協働型政策研究」(『都市間題研究』2002)など。

田中逸郎 (たなか・いつろう) *第3章、第6章
 豊中市役所で広報広聴・都市景観・企画・文化などの公共政策を担当し、市立生活情報センター館長を経て、現在、市民生活部市民活動課長としてNPOとの協働政策や仕組みづくりに取り組む。自らもまちづくりや市民活動、種々のイベント企画実施などに参画している。

早瀬 昇 (はやせ・のぼる) *第4章
 (社福)大阪ボランティア協会理事、事務局長、(特活)日本NPOセンター常務理事、(特活)日本ボランティアコーディネーター協会副代表理事、大阪大学人間科学部客員助教授など。主著『自治体・公共施設のためのボランティア協働マニュアル』(共著)など。

内山博史 (うちやま・ひろふみ) *第5章
 (財)草津市コミュニティ事業団で草津コミュニティ支援センターの立ち上げ支援、地域通貨「おうみ」の企画立案を担当後、現在、NPO政策研究所常務理事・研究員。環境・社会・経済のバランスある持続可能なコミュニティづくりの調査研究、政策提言活動に従事。

水谷 綾 (みずたに・あや) *第7章
 (社福)大阪ボランティア協会NPO推進センター・インキュベ−トアドバイザー。NPOの組織化や経営実務相談からプログラム企画などを中心に取り組んでいる。大阪府商工労働部・コミュニティビジネス創出支援事業、大阪府「NPOと行政の協働研修ワークショップ」ほかを担当。

阿部圭宏 (あべ・よしひろ) *第8章
 1980年から滋賀県庁勤務。97年、(財)淡海(おうみ)文化振興財団(愛称:淡海ネットワークセンター)設立と同時に出向(特活)NPO政策研究所理事、(特活)ひとまち政策研究所理事、自治体学会運営委員。滋賀県内の市民団体、大津の町家を考える会などにも所属。

直田春夫 (すぐた・はるお) *第9章
 (特活)NPO政策研究所専務理事、箕面文化ファーム事務局長。他に、特定非営利活動法人市民活動フォーラムみのお理事長、みのお市民まちなみ全議会長、みのお山麓保全委員会等の活動を通して行政と協働。文化政策研究、地域ガバナンスの実現をめざす活動にも携わる。

*はじめに、おわりに……新川達郎
*事例……阿部圭宏、飯田真友美、今田 忠、須田剛司、水谷 綾
*資料……佐l崎一晴

《監修者紹介》

新川達郎(にいかわ・たつろう)
 同志社大学大学院総合政策科学研究科教授。専門分野は、行政学、地方自治論、公共政策論。まちづくりや地域づくりをNPOの活躍の場と考え、事業活動や調査研究活動、政策提言活動を続ける。京都市市民活動促進協議会委員、京都府府民参画検討委員会参与、(特活)世界水フォーラム市民ネットワーク代表理事など。主著『NPOと法・行政』(共編著)『行政と執行の理論』(共編著)『公務員のためのNPO読本』(共著)他多数。

《編者紹介》

「NPOと行政の協働の手引きj編集委員会 *団体名五十音順
(特活)NPO政策研究所  内山博史、木原勝彬、直田春夫
(特活)大阪NPOセンター  今田 忠、山田裕子
(財)淡海文化振興財団 淡海ネットワークセンター 阿部圭宏
大阪府生活文化部府民活動推進課 外賀卓郎、須田剛司
同志社大学大学院教授  新川達郎  *委員長
豊中市市民生活部市民活動課  田中逸郎
(社福)大阪ボランティア協会 早瀬 昇、水谷 綾、佐崎一晴、飯田真友美

【解説】
協働とはなにか。実際に協働を推進するにはどうすればよいのか。NPOと行政の協働が、本当の意味での協働となり、社会の期待に応えていくための条件とは・・・。協働の基礎知識を体系的に学び、協働を実践するための手引き。

【はじめに】
1.手引きを作成した目的

 はじめに、なぜ、NPOと行政の協働のための手引きをつくったのかを、説明しておきたいと思います。
 まず、一つは、行政の職員の皆さんや市民活動に関わる皆さんに、NPOと行政との協働について広く知っていただきたいということが狙いでした。そのため、協働についてその意義や方法を分かりやすく述べることを心がけました。
 二つには、協働という言葉の意味があいまいでいろいろに使われているので、これをはっきりさせるためです。協働という言葉は、パートナーシップとか、コラボレーション、あるいは連携と協力などという言い方で、多様に議論され実践されてきました。これについて、整理をしておくことにしました。
 三つには、実際に協働を推進する手順を明らかにすることです。協働への関心はあっても、実際にどこから動き出せばよいのか、どのような進め方をしていけばいいのかが分かりません。そのため、協働を実現するための手がかりを提示することにしました。
 四つには、NPOと行政との協働が、本当の意味での協働になるように、社会の期待にこたえることができるように、協働の組み立てをするときの条件を明らかにしました。
 本書は、このように、協働の基礎知識を体系的に学ぶための手引きとして、そして、協働を実践していくときの手引きとして作られたのです。この手引きを大いに活用していただくことができれば、本書の作成に参加した全員にとって、それ以上のことはないと思っています。

2. 協働の本質を理解するために

  本書には、協働のための手引きとして役立ててもらおうという一般的な目的はあるのですが、それを超えた本当の狙いとして、協働の本質を理解し実践していただきたいということがあります。そのためには、ただ単に、協働の手順を解説することでは不十分です。協働の本質や、NPOの本質を理解しておく必要があるのです。それは翻(ひるがえ)って、行政の本質を考えなおすことにもつながっていると思います。そして協働の本質理解が大切であるのは、行政の職員の方々だけではなく、市民や市民活動、そしてNPOにとっても同様なのです。協働に関係する人々が協働への理解を共有できることが大切だと考え、そういった観点から、この手引きを作成しました。
 ところで、私たちの社会では、不特定多数の人々の利益を達成する役割は、主に行政の活動に期待するということが、従来の考え方でした。しかし、実態的には、公共部門とされる分野も、市民や民間組織が幅広く担ってきていましたし、とりわけ阪神淡路大震災を契機として、ボランティアやNPO活動が果たしている公益的役割への関心が急速に高まりました。それと同時に、「政府の失敗」や「行政の守備範囲」という言葉に代表されるように、行政ができることの限界も明らかになってきました。市民の協力がなければ、行政の活動も不十分になってしまいますし、また、社会の公共的な必要性を満たすこともできないのです。
 実際、公共の利益を実現する活動という点で言えば、行政と民間組織、そして市民が役割分担をして担っているといってよいでしょう。そして、広い意味で、今後ますます市民活動への期待は高くなると思われます。そうした役割分担は、福祉や環境、教育問題など身近な生活分野で幅広く行われています。そのこと自体が一種の協働なのですが、そればかりではなく、市民と行政とが主体的に協力し合いながら、よりよい成果を上げていくという手法もあります。そうした活動をここでは協働と考えているのです。こうした時代の変化とそれを背景とした市民活動への期待が広がる中で、地方自治体の仕事の仕方も協働を念頭に置いたものでなければなりません。

3. 誰のための手引きか

 私たちが本書を読んでいただきたいと考えている方々は、まず第一に、地方自治体の職員の方々です。前述のように、地方自治体の仕事も協働を念頭に置いたものに変化していかざるを得ません。これに対応するには、新しい業務の形態のための職員の基礎知識が必要ですし、職員自身も意識や行動の面で変化していかざるを得ないのです。協働やNPOについては、誤解も多く誤った接し方をしている例も少なくありません。地方自治体として理解すべきこと、職員として理解すべきことがありますし、それなくしては、NPOとの協働は成り立ちません。
 本書は自治体職員を対象とした手引きですが、それと同時に、本書を読んでいただきたい方として、協働のパートナーとなるNPOや市民活動の関係者があります。本書は、こうした方々にも有益だと考えています。例えば、市民や市民活動、そしてNPOにも、行政活動の基本的な性質に対する無理解や誤解がまま見られます。それらは、市民側からの行政不信だけではなく、行政側からのNPO不信を生み出す原因ともなっているのです。
 NPOと行政とが相互に相手方のことを理解してはじめて、協働が実現できる条件が整いはじめるといってもよいでしょう。本書はその相互理解の手助けになるものと思います。

4. 手引きの使い方

 本書は、大きく分けて、協働の本質を理解するための理論編と、これを実践する手引きとなる実践編から構成されています。本書を利用される方は、それぞれにいろいろな必要から手にとってくださっていると思います。本書の使い方については、いろいろあっていいのですが、これを典型的なパターンに分けて説明してみます。もちろん、これに制約されることなく、好きなところから読んでいただいて、何も問題はありません。
 パターンの一つとして、例えば、自治体職員の方々がNPOと行政の協働について、体系的に学習しようという場合もあるでしょう。また逆に、NPOや市民の方々が、協働について知りたいという場合もあるかもしれません。そのときには、理論編のNPOを学ぶところからはじめてください。市民の皆さんもNPOについて再度本書で頭の整理をされることをお勧めします。そして協働の本質について考え、これまでの市民参加との違いを確認し、協働のための条件を学んでください。そして必要に応じて実践編の囲み記事にある事例を参照してください。
 もう一つのパターンは、いま協働事業を進める立場にある職員の方々、そしてそのパートナーとなりそうなNPOの方々の都合にあわせた使い方です。協働事業を始めようとして事業計画を立案中であったり、現に進めていたりする場合に、実際の協働事業現場で使える手引きにしたつもりです。そのために、実践編から読んでいただくと、当面の問題解決に結びつくと思います。どんな事業をやろうとしているのか、それをどのように組み立てていけばよいのか、パートナーの探し方はどうするのか、協働事業の内容はどうすればよいのか、契約の結び方や事業の実施管理の方法、そして成果の評価方法についてポイントを押さえておいてください。NPOも行政の行動の仕方や考え方をしっかり把握しておくことが大切です。
 いずれにしても、本書を使いこなして、よりよいパートナーシップを築き上げるのは読者の皆さん方です。皆さん方にとって、本書が、NPOと行政のよりよいパートナーシップをつくりあげる一助になれば幸いです。

【目次】

はじめに 新川達郎

<理論編>

第1章 NPOとは何か 今日 忠
  1.大いなる誤解
  2.NPO/NGO
  3.NPOの法的形態
  4.特定非営利活動法人(NPO法人)
  5.NPOの機能

第2章 NPOと行政の協働とは何か 木原勝彬
  1.ガバメントからガバナンスへ
  2.協働の本質
  3.協働のメリット・デメリット

第3章 協働領域と市民参加  田中逸郎
  1.協働の領域を考える
  2.協働の立脚点を考える
  3.協働の前提条件を考える 〜市民参加〜

第4章「協働の主体」の関係 早瀬 昇
  1.行政と市民(市民活動団体)の関係
  2.有志型NPOとコミュニティ組織との関係
  3.行政とは異なるNPOの特性
  4.実は企業とNPOの差は相対的
  5.特に市民活動との協働/促進策をとる理由
  6.市民が「自治の主体」となる協働事業の構築に向けて

第5章 協働の条件 内山博史
  1.協働の法的枠組み
  2.協働の原則
  3.協働のパートナーとなるNPOの要件
  4.協働のプロセスにおける条件

<実践編>

第6章 協働の手法と支援の関係 田中逸郎
  1.協働の手法を考える
  2.協働推進のための支援を考える   〜社会全体で支援する仕組みづくり〜
  3.まとめ

第7章 協働のパートナーを得るための7つの方法 水谷 綾
  1.協働の枠組みづくりとは
  2.ニーズ把握〜立案段階における協働プロセスの形成
  3.“協働”のパートナーをどのように探すか?
  4.参画機会のさらなる検証…「出会い」をさらに広げるために

第8章 協働事業の企画と協議 阿部圭宏
  1.協働事業の作法
  2.協働事業の中身を考えよう

第9章 協働事業の実施と評価 直田春夫
  1.事業(実施)計画をつくる
  2.事業実施にあたっての留意点
  3.まとめが肝心
  4.「評価」は鏡(ふりかえりは次のステップへの第一歩)139
  5.公開を通して協働の成果をみんなのものに150

おわりに  新川達郎
資料

事例
  ニーズと民間事業者をきめ細かくコーディネート 〜住宅改造指導事業(豊中市)〜
  新しいスタイルの市民活動拠点 〜大阪NPOプラザ(大阪府)〜 
  公開審査方式と事業の継続性 〜「生きがいしごとサポートセンター」事業(兵庫県)〜 
  NPOの提案を公募し事業に 〜提案公募型事業(大阪府)〜
  「見えやすい事業成果」の落とし穴 〜NPOのための情報化支援事業(滋賀県)〜
  委託事業に関わる個人情報の取扱いについて 〜市民活動サポート・人材派遣事業(神戸市)〜
  横断的政策調整機能の必要性 〜湖国菜の花エコプロジェクト(滋賀県)〜

コラム
  社会的経済と市民社会組織
  NPOの数と内訳
  NPOはどんな組織か
  自己組織性と社会資本(ソーシャル・キャピタル、人間関係資本)
  新しい市民参加−「みたか市民プラン21会議」
  行政の決裁はさすがに慎重 
  政府とボランタリー・セクターの協定、「コンパクト」
  要注意!“協働”の履き違え 
  行政にもいろいろある 
  官製?NPO
  中間支援組織の活用を!
  「入札」と「随契」
  委託の功罪を考える
  事業実施のための資金について
  アウトプット指標とアウトカム指標について



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