―ミーティングや講座の帰り道に読む35の視点―
著者:早瀬昇
発行:社会福祉法人大阪ボランティア協会
発行年:2010年
文字通り「寝ても覚めても」市民活動のことばかり考え続ける著者。社会の様々な事柄から「貪欲に」市民活動論を導く、独特の「視点」が35本。ミーティングや講座を受けた後など、もう少し市民活動に思いを巡らせたいと感じた時に手にとって貰いたい一冊。
【書評コメント】
◎匿名希望(男性)
社会福祉士の勉強の合間に読ませていただいたのですが、勉強で固まった脳みそをやわらかくほぐしてくれているように感じました。
さて、視点1から、ガツンときました。衝撃でした。地元漁民が犠牲になっていたことについて、知りませんでした。
「よそ様が寒い中で作業しているのに、地元の人間が休むわけにいかない」
さもありなん・・・
純朴な地元の方々は、きっとそのような心境になったことでしょう。言われてみれば、容易に想像できることです。でも、熱い心を持ったボランティアには盲点になっていたのかもしれません。冷静な心(視点)の大切さを感じます。・・・(続きは、「読後感想掲示板」をご覧ください。)
◎杉岡秀紀さん
この本は、大阪ボランティア協会が毎月発行する「Volo(ウォロ)」という情報誌の「V時評」を時系列ではなく、テーマ別に再編成されたものである。
イメージとしては、「ボランティア版の社説や天声人語の総集編」と言えようか(なお、この情報誌自身は、ボランティア界の「AERA」を目指しているという)。
当然、元々が「時評」であったため、イラク人質事件、秋葉原通り魔事件など、すでに「過去」の話題が中心であり、それ自身に普遍性はない。
しかし、その事件から「元来NPOが注目される理由は、NPOがNGO(非政府組織)であるからだ(p.33)」などというきわめて「現実から未来への示唆」を含みながら、普遍的かつ哲学的な論評を残すのが、この筆者早瀬氏のなせる技である。
なお、この早瀬昇氏は発行元である大阪ボランティア協会の常務理事であり、この道の第一人者である。・・・(続きは、「読後感想掲示板」をご覧ください。)
◎匿名希望の方から
「寝て覚めても市民活動論」早速読んでみました。一昨日、ボランティアグループ連絡会の会長さんと打ち合わせの時、「後継者がない」の話が出ました。早瀬さんの本の内容をお話したら「気が楽になった」そうです。
◎佐藤成臣さん(生涯学習・市民活動コンサルタント、東京都文京区)
私も先々週この本を読ませていただきました。本当に感動の1冊だと思いました。「視点21 「後継者」はいらない!?」は、もう、何度も何度も読み直しをしました。「新しい葡萄酒は新しい革袋に入れなければならない、入れれば古い革袋は裂けてしまう」新約聖書にはこの行があるのですが、早瀬さんの本、そしてこの言葉、また今、自らが抱えている案件を重ね合わせて何度も読み直したのです。
他にも「視点25 去る人たちに慰労と感謝を」などは、感激した項でした。間違いなく、お勧めの1冊です。
◎神田均さん(静岡県ボランティア協会理事長)
実は私自身、大昔の「文学青年時代」に戻って、今「寝ても覚めても活動人間」になっているのです。ですから、まず「題名」に惹かれました。(滞在していた)ホテルでの夜、(省略)長い帰路、ずっと読ませていただき、帰宅してからも毎晩、寝床の中で読ませてもらいました。まさに「寝ても覚めても」です。いい言葉に一杯出合いました。「論理と倫理」本当ですね。よくぞ書きまとめてくださいました。
【解説】
文字通り「寝ても覚めても」市民活動のことばかり考え続ける著者。社会の様々な事柄から「貪欲に」市民活動論を導く、独特の「視点」が35本。ミーティングや講座を受けた後など、もう少し市民活動に思いを巡らせたいと感じた時に手にとって貰いたい一冊。
【著者】
早瀬昇(はやせ・のぼる)
1955年、大阪府生まれ。京都工芸繊維大学・工芸学部電子工学科卒業後、フランス・ベルギーの社会福祉施設で研修を受け、1978年、大阪ボランティア協会に就職。その後、大阪府立大阪社会事業短期大学専攻科終了。現在、大阪ボランティア協会常務理事、日本NPOセンター副代表理事、日本ボランティアコーディネーター協会副代表理事、関西大学経済学部客員教授。熱烈な阪神タイガースのファンでもある。
【主な著書】
『企業人とシニアのための市民活動入門』(大阪ボランティア協会)
『元気印ボランティア入門』(大阪ボランティア協会)
『市民社会の創造とボランティアコーディネーション』(共著・筒井書房)
『NPOがわかるQ&A』(共著・岩波書店)
『ボランティア=参加する福祉』(共著・ミネルヴァ書房)
『変革期の福祉とボランティア』(共著・ミネルヴァ書房)
『あしたへの老年学』(共著・ミネルヴァ書房)
『自治型地域福祉の展開』(共著・第一法規出版)
『基礎から学ぶボランティアの理論と実際』(共編著・中央法規出版)
『NPO基礎講座』(共著・ぎょうせい)
『知っていますか? ボランティア・NPOと人権一問一答』(共著・解放出版社)
『NPOと行政の協働の手引き』(共著・大阪ボランティア協会) 他
【目次】
第1章 ボランティアの「そもそも」を見つめなおす
視点1 「ボランティア、帰って」の意味
視点2 「嫌だったらやめればよい」ということ
視点3 「もう、3周、まわっています…」
視点4 状況から逃げないということ
視点6 奉仕活動しないと罰せられる社会!?
視点7 市民活動の意義を否定する「自己責任論」
視点8 「不幸産業」ということ
視点9 巻き込まれながら巻き返すために
視点10 「異質排除」を排するために
視点11 危うさ伴う「有償ボランティア」
第2章 支援者を広げるために
視点12 「依存力」ということ〜ドラッカー氏逝去の報にふれて
視点13 寄付とは参加である
視点14 不安が人を惹きつける
視点15 寄付が進める信じ合える社会づくり
視点16 「ニセ募金」を駆逐するには
第3章 躍動する組織になるために
視点17 NPO経営とJリーグの関係
視点18 運動とは事務なり
視点19 「勝手にライバル」の勧め
視点20 ワクワクする集団となるために
視点21 「後継者」はいらない!?
第4章 企業と市民、2つの社会的責任
視点22 「CSR」が支えるCSR
視点23 「社長の道楽」の勧め
視点24 「愛して叱る」田代正美さんが遺したもの
視点25 去る人たちに慰労と感謝を
第5章 社会を見つめてもう一歩深く
視点26 「市民活動市場」を作ろう!
視点27 「公共」とは「公開」の世界
視点28 修正主義的活動の勧め
視点29 「できることなら、するよ」ということの意味
視点30 「私にお任せを」には任せない
視点31 総選挙結果で考えた市民活動の今後
視点32 安易な公務員叩き、ちょっと待った
視点33 意図と効果の関係
視点34 やはり「連帯」以外に道はない
視点35 「巻き込まれる」ことの意味
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