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ボランティア活動研究シリーズ11 
特集「理論はボランティア活動をどう語ってきたか」
1,600円(本体価格)
凡そ1985年以降を対象に、ボランティア活動がどのような背景のもとで どのように理解されてきたかを、豊富な文献をもとに各領域ごとに分析。

【解説】
凡そ1985年以降を対象に、「社会学」「心理学(社会心理学)」「教育学」「哲学」「経済学」「政治学」の6つの学問分野でのボランティア活動の研究動向や理論化の状況を特集。

【目次】

巻頭言
   ボランティア活動の理論について   筒井 のり子

特集論文
  ●ボランティア活動についての哲学研究    入江 幸男
  ●社会学者はボランティアをどのように語ってきたのか?    藤井 敦史
  ●ボランティア活動研究の現状と今後の理論的課題
    −社会心理学とグループ・ダイナミックス−   渥美 公秀
  ●教育学におけるボランティア活動研究     長沼 豊
  ●政治学とボランティア       岡本 仁宏
  ●経済学からみたボランティア       小野 晶子・山内 直人

座談会
  理論はボランティア活動の何を語ってこなかったのか
        入江 幸男・藤井 敦史・長沼 豊・岡本 仁宏・小野 晶子
                          ◆司会/森定 玲子

●ボランティア活動関係文献リスト
   単行本 大阪ボランティア協会出版部
   報告書 桜井 政成
   雑誌特集・論文  関 嘉寛

●「ボランティア活動研究」パックナンバーのご紹介

●「実践報告」募集のお知らせ


巻頭言
ボランティア活動の理論について

筒井 のり子(龍谷大学助教授、本誌編集委員)

 ボランティアという言葉が日本に紹介されたのは、いつ頃のことだろうか。1880(明治13)年に日本でYMCAが結成されていることや、日本で初めてのセツルメント運動が1897(明治30)年に始まったことを考えると、すでに明治の中頃には「ボランティア」という言葉自体は紹介されていたものと思われる。もちろん、ごく一部の専門家が知るのみで、一般の人々に知られるようになったのは、第二次世界大戦後、それも1970年代以降のことである。
 当初、「ボランティア」という言葉が日本にどのように紹介され、どのような訳語が当てられていたのか、そしてどのように受け取られていたのかについては、知る限りにおいて資料もなく研究もなされていない。
 しかし、ボランティア活動の実践は着実に広がっていった。たとえば1923(大正12)年の関東大震災において、帝大(東大)の学生が「学生救護団」を結成し、ボランティアとして活躍したことは比較的よく知られている。そして同年10月、救護団の活動が一段落した後、永久的な学生の運動にしていこうとの思いで、救護団の解散式と同時に東大セツルメントがスタートしたことにより、より地道で継続的なボランティア活動として根づいていった。
 第二次世界大戦後も、直後からやむにやまれぬ形で浮浪児の保護や青少年の非行防止などの活動が有志によって行われ、その後様々なボランティア活動が展開されていった。1900年代半ばには、大阪ボランティア協会をはじめとする民間のボランティア推進団体がいくつも誕生し、1970年代には行政による本格的なボランティア育成・振興策も始まった。1900年代になると、「高齢化社会の危機」意識から、自分および家族の問題として、中高年の女性による高齢者支援に関する様々な取り組みが行われるようになり、ボランティアのすそ野は一気に広がった。
 そして、関東大震災の72年後の1995年に阪神淡路大震災が起きた。これによってボランティア活動そのものの意義と、個々のボランティアの思いを受け止め、より効果的に社会へ発信していくための組織(NPO)の重要性が広く認識され、実に多様な領域やセクターでボランティアについて取り上げられるようになった。
 このように多様な分野で多様な角度からボランティア活動について語られるようになった昨今、あらためてボランティアについて、理論的に整理し深めたいという思いが、本特集を企画した根本的な意図である。言葉をかえると、このように多様な分野で論じられるようになった今だからこそ、学際的にボランティア活動について考察できるのではないか、ということである。

 さて、では、ボランティア活動についての研究は、これまでどのようになされてきたのだろうか。「ボランティア」を正面から取り上げた最も古い論文は、1932(昭和7)年のものと言われる。雑誌『社会事業』第16巻第4号に掲載された、内片孫一氏の「隣保事業に於けるヴオランチアの役割」という論文である。その後70年、ボランティア活動は、どのように理論化され、語られてきたのだろうか。
 実は、大阪ボランティア協会では、これまでにボランティア活動に関する文献・資料集を2冊発行している。すなわち『ボランティア活動の理論〜ボランティア活動文献資料集』(1973年12月末までの文献・資料を収集)と、『ボランティア活動の理論供'74−'84活動文献資料集』(1974年1月から1984年12月末までの文献・資料を
収集)である。
 その作成意図は、「このように“ボランティア”という言葉そのものについては可成り古くから用いられ、一部の論者によってその意義や方法について問題提起がなされていたにも拘らず、今日尚、この概念が未熟なままおきざりにされてきた背景にはどのような問題があったのだろうか。本文献目録作成の我々の意図の一つは正にこうしたおくれをとっているボランティア活動の今後の研究に必要な資料を提供し、同時にその間題の一端を明らかにしていこうというものである。」というものであった。この記述は1974年のものであるが、現在もなお共通する課題が残っていることを痛感させられる。
 そのため、『ボランティア活動の理論供戮糧行後10年を経た項から、協会関係者の間で『ボランティア活動の理論掘戮鯣行したいとの思いは強くあった。しかし、1985年以降のボランティア活動に関する文献・資料の量があまりにおびただしく、また取り上げられる領域も多岐に渡るようになり、着手できないまま今日に至っている。
 たとえば、1973年までの文献が対象である『ボランティア活動の理論』で、編集時にレビューした主な雑誌の種類は、以下の36種類であった。

「社会事業」(中央社会事業協会)「社会事業研究」(大阪社会事業協会)、「民生時報」「社会教育」「ニューエイジ」「大阪社会福祉研究」「社会問題研究」「保護月報」「少年補導」「人文学」(同志社大学)、名古屋市立保育短大「研究紀要」、「更生保護」「ジュリスト」「月刊福祉」「青少年問題研究」「日本生命社会事業局資料」「保護と福祉」「リハビリテーション医学」「青少年問題」「厚生の指標」「婦人之友」「地域福祉」「厚生」「犯罪と非行」「更生保護と犯罪予防」「仏教大学社会学部論叢」「福祉名鑑」「病院」「女性サロン」「清交」「月刊社会教育」「世界盲人百科辞典」「地域活動研究」「青少年大阪」「都市問題研究」「厚生環境」

1974年ら1984年までを対象とした『ボランティア活動の理論供戮任蓮以下の50種類に増えている。

 「社会福祉学」「基督教社会福祉学」「月刊福祉」「社会福祉研究」「ソーシャルワーク研究」「季刊・社会保障研究」「地域福祉研究」「地域福祉」「地域福祉活動研究」「大阪市社会福祉研究」「季刊・ボランティア活動」「ボランティア活動研究」「ボランティア研究」「ボランティア・福祉教育研究」「都市間題」「都市間題研究」「都市政策」「住民と自治」「青少年問題」「青少年問題研究」「社会教育」「月刊社会教育」「少年補導」「厚生」「更生保護」「犯罪と非行」「更生保護と犯罪予防」「児童養護」「病院」「看護」「看護学雑誌」「医療社会事業」「公衆衛生」「リハビリテーション」「保健婦雑誌」「社会老年学」「老年社会科学」「老人問題研究」「老人生活研究」「老人福祉」「国民生活研究」「図書館雑誌」「公益法人」「真理と創造」「現代社会学」「市民」「福祉労働」「福祉のひろば」「愛護」「視覚障害」

 これらを見ると、社会福祉関係のものが大半を占めていることがわかる。実際、この時期までのボランティア活動の実践と研究は、社会福祉分野のものが圧倒的に多かったのである。
 ところが、1985年以降は、社会学や教育学はもちろんのこと、経済学、経営学や哲学、心理学などの分野においても、ボランティア活動に関する論文等が多数発表されるようになってきた。したがって、1985年以降のボランティア活動文献資料集を作成するには、より幅広い分野の、より膨大な量の雑誌・資料にあたらねばならず、その実現はきわめて困難となっている。
 そこで今回は少し視点を変え、本誌『ボランティア活動研究』の特集として、各学問分野ごとに主として1985年以降のボランティア活動研究の動向について、それぞれの分野でのボランティア研究に携わっておられる研究者に論じていただくことになったのである。
 分野はたくさんあるが、その中から今回は、「社会学」「心理学(社会心理学)」「教育学」「哲学」「経済学」「政治学」の6つの学問分野を取り上げた。
 さて、なぜ、ここに「社会福祉学」が入っていないのかという疑問をもたれる方も多いだろう。当初は、編集委員会でも当然含めて考えていた。しかし、議論を重ねる中で、以下の2つの理由から、今回は取り上げないという結論に達した。
 第一に、量の多さである。一口に社会福祉といっても、児童福祉・障害者福祉・高齢者福祉といった分野別のもの、在宅福祉や施設福祉といった実践の場によるもの、またソーシャルワークという援助技術論での切り口、福祉教育・ボランティア学習という切り口など、『ボランティア活動の理論供戮虜△箸らべても、明らかに雑誌数も増え、その中でのボランティアに関する論文の登場回数も年々増加している。これらすべてを、限られた期間内で1本の論文でレビューすることには、物理的にも内容的にも無理があると判断された。
 第二の理由は、学問としての「社会福祉学」というものの捉え方の難しさである。社会福祉分野でのボランティア活動の実践や課題について書かれた論文を集め、それらを整理・分類するだけならば、すぐにでも着手できる。しかし、「社会福祉学」という固有の理論にのっとって書かれた論文を選び、分析することはきわめて難しい。最近でこそ「社会福祉学部」として独立した学部も増えてきたが、それまでは「文学部」「社会学部」あるいは「家政学部」の中の1つの学科あるいはコースとして位置付けられていたことからも、「社会福祉学」という学問上の固有性の確立があいまいであったことがわかる。また、文部科学省の科学研究費においても、分野の分類において「社会学」分科の中の細目として「社会学」の中から「社会福祉学」が独立して位置付けられたのは、2002年度からである。
 これらのことからもわかるように、「社会福祉学」がボランティアをどう語ってきたかを論じようとすれば、そもそも「社会福祉学」をどう捉えるかというところから議論を始めねばならず、これも限られた期間内で行うことはきわめて難しいことから、今回は「社会福祉学」はあえて盛り込まないこととなった。しかし、もとよりボランティア活動の実践と研究において、社会福祉分野の存在は大変重要であるので、本誌でもいずれ課題として取り組みたい。
 おそらく、「社会学」「心理学(社会心理学)」「教育学」「哲学」「経済学」「政治学」の6つの学問分野でのボランティア活動の研究動向や理論化の状況を論じたものを一堂に集めた企画は、これが初めてだろう。さらに、それぞれの分野での理論化の到達点を共有し、その相違点と共通点をすりあわせることによって、より普遍的なボランティアの理論を生み出す土台とすべく、それぞれの分野の執筆者に集まっていただき、座談会も行なった。これも画期的なことだと思う。
 本特集をもとに、さらに各分野でのボランティア研究と、より学際的なボランティア研究が進展することを願いたい。



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1,728円(本体1,600円、税128円)

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