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学生のためのボランティア論
編集:岡本榮一・菅井直也・妻鹿ふみ子
B5判 171頁1,980円(税込)
ボランティアを学ぶ学生が、生活の中から身近なボランティア観をつくり、思いを深めて実践に至るためのテキスト。マンガ・写真・図表を多く取り入れ、10人の著者がそれぞれの言葉で学生に向けてわかりやすく語る。

【解説】
 ボランティアを学ぶ学生が、生活の中から身近なボランティア観をつくり、思いを深めて実践に至るためのテキスト。マンガ・写真・図表を多く取り入れ、10人の著者がそれぞれの言葉で学生に向けてわかりやすく語る。

【目次】
プロローグ
基礎編
 第1章 ボランティア=自ら選択するもう一つの生き方 岡本榮一
 第2章 その時そこにボランティアがいた 小笠原慶彰
 第3章 ヒトはなぜボランティアをするのか 妻鹿ふみ子
 第4章 「公共」は、誰が担うのか 早瀬昇
 第5章 ボランティア活動が生み出す新しい価値 妻鹿ふみ子
展開編
 第6章 地域の課題を発見してみる 菅井直也
 コラム1 ボランティア活動の探し方
 第7章 市民の視点から解決を探る 後藤麻理子
 第8章 ボランティアは「教育」にどうかかわるか 菅井直也
 第9章 新たな自治の創造 久隆浩
 第10章 足元から地球へ ―地球のためにできること 下澤嶽
 コラム2 災害ボランティアは、地域コミュニティの再生を目指す〜鳥取県日野町の経験から〜山下弘彦
 第11章 ボランティアマネジメント 妻鹿ふみ子
 第12章 インタミディアリとしてのボランティアセンター 守本友美

編者

岡本榮一(おかもと・えいいち)
 1931年兵庫県生まれ。大学卒業後、養護施設、診療所(医療ケースワーカー)、児童館館長、大阪ボランティア協会事務局長など、33年間福祉・ボランティア活動の現場で働く。58歳より大学教育に転じ、西南女学院大学、流通科学大学などを経て、現在は九州保健福祉大学教授(通信制大学院)。大阪ボランティア協会理事長。主著『ボランティア=参加する福祉』(共著・ミネルヴァ書房)、『社会福祉原論』(共編著・ミネルヴァ書房)など。

菅井直也(すがい・なおや)
 1955年生まれ。広島大学教育学部卒、同大学院教育学研究科教育行政学専攻修了。在学中に広島在宅障害者青年教室の発足に参画。広島市社会福祉協議会ボランティア情報センター利用者連絡会代表幹事・運営委員長、精神障害者社会復帰施設の理事長を経て、知的障害者の小規模作業所を法人化し、理事長として経営を体験中。広島文教女子大学人間福祉学科教授(地域福祉・福祉教育・ボランティア活動論担当)。

妻鹿ふみ子(めが・ふみこ)
 大阪市生まれ。神戸女学院大学・大学院で社会福祉を学ぶ。大阪ボランティア協会勤務の後、吉備国際大学社会福祉学部等を経て2005年4月より京都光華女子大学人間関係学部教授。また、全国でボランティアコーディネーター研修の講師をつとめる。主著『自治体・公共施設のためのボランティア協働マニュアル』(共著・大阪ボランティア協会)、『福祉・介護関連施設におけるボランティア受け入れマニュアル』(共著・全国社会福祉協議会)など。

プロローグ

 ボランティアとはなんでしょうか?
 今日、ボランティアという言葉を聞いたことのない人はまずいないでしょう。でも改めて問われたら、みなさんはどのように答えるでしょうか?
 とりあえず定義のようなものをあげることもできるでしょう。活動の例をあげることもできるでしょう。参加しての感想や得たものをあげる人もあるでしょう。また、批判も含めて釈然としない思いから逃れられない人もいるでしょう。
 ボランティアの本質は、自発性と社会的な問題提起やその解決にあり、ボランティアの活動は、自分のしたい気持ちから出発して、自分のしたいことの実現を通して社会的な問題の解決をする営みです。とはいうものの、現実のボランティアの活動から、あまりにも多くの学びや気づき、思考の深まりが生ずるために、本質がわからなくなったり、混乱したりすることもあるでしょう。あるいは誤解や意図的な歪曲もあるかもしれません。
 このような混沌としたボランティア像の霧を晴らし、みなさんの思いを整理する手がかりを提供することで、「目のうろこを落とし」「ボランティア開眼」のきっかけになればと願っています。
 ところで、ボランティアとは、「何をすることなのか」ではなく「なぜするのか」「どのようにするのか」に核心があります。本書の著者たちはここに立脚して、ボランティアの本質から具体的な活動に至るまでを解きあかし、みなさんの生活の中に既に、ボランティアの芽や根、葉や茎、あるいは花や実までもが含まれていることを明らかにしようと考えました。みなさんの生活の中から、身近なボランティア観をつくってみてください。
 さきに、「社会的な問題の解決」と言いましたが、納得のゆく豊かな暮らし、人間らしい暮らしは、私たちが日々の暮らしの中で思っていること、感じていることを大事にして、問題の解決策を考え実践してゆくことではじめて実現します。ボランティアは、納得のゆかないものに自分を犠牲にすることではなく、むしろ自分を大事にすることからはじまります。そもそも自分を大事にできない人に他人を大事にすることができるはずはないのですから。この本を手にした自分を大事にして、思索を巡らせてみてください。大げさなようですが、それは社会と個人の関係のありかたを問うことでもあるのです。
 そして何よりこの思索と実行は、学生のみなさんの感性とエネルギーにこそ期待できる・・・本書の書名にはこのような意図がこめられています。指導にあたる先生方や市民の皆さんといっしょに、人間がともに支え合う社会を築いてゆきましょう。
 基礎編では、みなさんの関心から出発して、動機・理念・思想などを考えてみます。
 つづく展開編では、みなさん自身が活動するための手がかりや方法を、いろいろな分野の具体的な活動の展開を紹介しながら検討します。ここでは活動例をただ紹介するのではなく、みなさん自身が思考のトレーニングをして、豊かな実践に向かうことができるよう、手がかりや材料を提供しようとしています。さらに展開編のおわりには、ボランティア活動の過程を側面から支援する機能について紹介しています。個人やグループのボランティア活動が単独に存在するのではなく、これを支える活動もまた存在することを知っておいていただきたいからです。
 火山を意味する英単語のボルケーノ(volcano)は、“vol”で始まることから同じ語源の言葉と誤解されることがありますが、ボランティア(volunteer)とは語源を異にする言葉です。しかし、地中の煮えたぎった溶岩が岩の割れ目をたどって地表に噴出してくるエネルギッシュなイメージは、自らの意思で社会的な問題の解決に取り組む意欲的なボランティアの姿を彷彿とさせて、異なる語源の言葉であるのが不思議にも思えます。
 あなたの心の火山が、煮えたぎる思いになった時、必ずやボランティアの熱い心を噴出させるに違いありません。本書は火山の探検の手引きです。



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